西洋ミツバチ、勤務地の移動を命じられ連行される【分蜂】

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 桜技研製造部・西洋ミツバチ房総半島の下の方部署の面々が随分賑やかになり、あっちでブンブンこっちでブンブンするようになりました。暖かい季節になったこともあり蜂群もますます活気づいてきました。巣箱を覗くとミツバチが巣枠にびっしり張り付いて清掃やら子守やら大忙しに働いておりました。


 さて、どんどんミツバチ達が増えて巣箱がぱっつんぱっつんになると、元々いた女王は新しい女王蜂に今の巣を託してまとまった数の部下を伴って新天地に勝手に移動してしまいます。これを『分蜂』と言いましてミツバチが子孫を残すための戦略なのですが、好き勝手にどこかに行ってしまうと桜技研での採蜜量が増えません。更に言わせてもらえば西洋ミツバチは日本ミツバチと異なり天敵『オオスズメバチ』に勝つ術を持っていないので、好きな所で営巣したとしても全滅待ったなしです。運よく天敵の猛威を潜り抜けても何も対策の無いまま日本で越冬はまず不可能です。もう暗い未来しか見えません。お先真っ暗です。


 という事で、桜技研にとってもミツバチにとっても好き勝手な分蜂はお互いに全くメリットがございません。そこで好き勝手防止対策として行われるのが人工的に行う分蜂です。定期的に巣の中を確認し、「おお、これはちょっとミチミチだわ。出ていってしまいそう。」と社長が判断した群は、社長による「強制お引越し」をされます。そして今回房総下の方部署の数群が房総上の方部署に異動になりました。


 お引越し用の箱に移動する蜂たちを詰めて、しっかりと封印。急いで車で移動先へと運びます。急ぐとは言え急ブレーキして封印が解かれた日には社長も社員も無事では済まないし、桜技研もしばらく休業になりそうなので、アクセルブレーキやわやわなスーパー安全運転で向かいます。 
 因みにハンドルはこの時は社員が握りましたが、途中途中で社員が「おぉう。」だの「どきどきどき」だの、何か社員の運転に言いたい事が有るようでしたが、日ごろの疲れが溜まっていた様で、暫くしたら眠ってしまいとても静かになりました。
 さて、移動先に着いたら速やかに箱を設置して封印を解いてあげます。ミツバチ達は最初「ここはどこなん?」「お家はこれなん?」といった感じで右往左往しておりますが、暫くすると落ち着いてきて採蜜を始めます。その間にお引越し用の箱はお役御免ですので、営巣用巣箱に戻しておきます。
 移動先ではまだ女王蜂が在籍しておりませんので、今いる幼虫の中から蜂たちは新女王蜂を育てます。同時に群もより大きくしていくのです。いきなりの強制異動にもかかわらず逞しくお勤めを果たすミツバチ達にはもう、社員いつも感服しております。もし、自分が同じことをされたならストレスで更に体重が増加し、不眠になり、禿散らかすことでしょう。
 勿論、桜技研はそんなミツバチ達の功労に感謝し、社長による精一杯の福利厚生をご用意させていただきます。(お砂糖のジュースとか、花粉パンとか、害虫対策とか、衛生管理とかいろいろ。)社員はごめんなさい、ミツバチ達の毒に滅法弱いので遠目から見守り応援しております。
 今年も美味しい美味しいはちみつを期待しています。

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